若き日のセザンヌ、苦悩の時代のセザンヌ、そして最期を目前に自らの作品スタイルを確立したとも言えるセザンヌ、それぞれ時代のセザンヌが描いたサントヴィクトワール。全く異なる地へと行くことを余儀無くされた多くのセザンヌのサントヴィクトワールの絵。そのうちの3枚の絵が同じ壁面に並んで展示された感動の企画展が、エクスアンプロヴァンスのグラネ美術館で始まり(2019年9月29日まで)、数日前、オープニングにお邪魔させていただきました。サントヴィクトワールの山をテーマとした企画展で、セザンヌ3作品の他にも、サントヴィクトワール北側のヴォーヴナルグで晩年を過ごしたピカソが自宅から描いたであろう風景画2連作(この2点も異なる所有者へと旅立ったものが今回特別に2点同時に展示されています)の他、マッソンやタルコートらのサントヴィクトワールなど、計14点の企画コーナーが設営され、その空間の中にいるだけでも、まるで夢の中にいるようでした。